2022-11-10

タンボ・ロッジ スペシャルディナー第1弾「アンデスの物語」

2022年11月7日(月)は、3カ月~6カ月の1回の割合でやっている、栃木県北部と福島県南部のマクロビオティック系やベジ系、ビーガン系のプロフェッショナルによる持ち回りの研修会の、記念すべき10回目の時に、担当したタンボ・ロッジのメニューを再現した、「スペシャルディナー」の日でした。
これは、研修会メンバーではない、タンボ・ロッジの「コア」なお客様(笑)の強いリクエストにお応えする形で、開催しました。
渾身のメニューなので、1回だけで終わらせてしまうのがもったいないと思い、これからもたまに気が向いた時にこんなイベントを開催したいと思っています。

今回は、アンデスのべジ料理を専門にしているわたくしなので、アンデスをテーマに、一つの物語風の構成にしてみました。
そして、視覚と嗅覚と味覚と舌触りの触覚をフルに使う演出を試みてみました。
題して「アンデスの物語」。
では気合を入れたメニューを出した順番にお伝えしましょう。

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タンボ・ロッジ スペシャルディナー第1弾「アンデスの物語」「アンデス原産野菜とスペインのロメスコソースのアミューズ」
アンデスの中世の文明、「インカ帝国」は、1532年に侵入してきたスペインによって滅ぼされ、植民地となりました。
アンデス料理を語るうえで、そのスペインの存在を意識しない訳にはいきません。
そこで、スペインの伝統的なソースとアンデス原産野菜の融合を試みました。
立っている野菜の右から左に、「薩摩芋」、「かぼちゃ」「トウモロコシ」、「じゃが芋(シャドークイーン)」です。
長細い器の右側のソースがスペインの伝統的なソース、「ロメスコソース」です。

P1000743こちらは私たちの2016年のアンデス旅行の際に訪れた、アンデスの懐深くに佇む「神秘の泉」の写真です。
次のサラダはこの泉をイメージした、とってもブルーなサラダです。

P1000743「神秘の泉のサラダ」
青色の泉の液体は、実は酸味を添加していないドレッシングです。自然農法の蝶豆花茶(バタフライピー)で色付けしています。
行燈は、大根を桂剥きにして、中に小さいろうそくを立てています。

P1000743神秘の泉に「ホワイトバルサミコビネガー」を垂らすと、青かった色が紫色に変化します。
まるで「五色沼」のようですが、その色の変化を楽しみながら、神秘の泉のドレッシングと共に、いろいろな野菜や豆を楽しみます。

タンボ・ロッジ スペシャルディナー第1弾「アンデスの物語」「アンデスの宝石たち」
アンデスでは色とりどりの宝石が産出します。その宝石のイメージを、ペルー風に味付けられたマッシュポテトに色付けし、表現してみました。
緑色のソースも宝石に見立てています。
この緑色のソースはペルー南部の都市、「アレキーパ」の郷土料理に使うソースで、チーズ風味の味がします。(ビーガン料理なので、チーズはもちろん入れていません)
そしてアンデスの大地を模した砂は、食べられます。🤪(笑)
ポンせんを砕いたものに、麻炭で色付けし、土の色らしく、しかもおいしく仕上げています。

タンボ・ロッジ スペシャルディナー第1弾「アンデスの物語」こちらは2016年のアンデス旅行の際に見に行った、コロンビアのメデジン近郊にある「ピエドラ・デ・ペニョール」という岩山です。
わりとなだらかなアンデスの丘陵地帯に、突如存在する大きな岩山。
絶好の展望台ですが、登るには外に見えている、ジグザグの階段を上らないといけません。
高所恐怖症の人を泣かせる岩山です。
次の料理は、その岩山を模した、アンデスの究極の保存食、凍結脱水乾燥ジャガイモの「チューニョ」の料理です。

タンボ・ロッジ スペシャルディナー第1弾「アンデスの物語」「アンデスの岩山と、メキシコのモーレ・ネグロ(チョコレートソース)」
「白チューニョ」を水に戻してから調理し、岩山のように盛り付けました。
下の大地を意識させるソースは、メキシコの伝統的な黒いソース。メキシコ原産のチョコレートとアンデス原産のトマト&唐辛子を使ったソースです。

タンボ・ロッジ スペシャルディナー第1弾「アンデスの物語」次はスープです。スープはこんなに美しい湖をイメージした、透き通った野菜出汁のアンデス風スープにしてみました。
写真の湖は、アンデスの湖「Querococha(ケロコーチャ)」、標高3980m。富士山よりも標高200mも高いところにこんな湖があるなんて!!。

タンボ・ロッジ スペシャルディナー第1弾「アンデスの物語」「アンデスの清流のスープ」
アンデスの雪解け水がゆったりと流れる川&湖。その流れの淀みを意識した、ペルーの伝統的な透き通ったスープです。
本当は魚出汁なんだけれど、べジ料理なので、野菜出汁で作りました。
その清流の淀みに浮き沈みする落葉をイメージした野菜を、様々な抜型で抜いて入れています。

タンボ・ロッジ スペシャルディナー第1弾「アンデスの物語」「古代小麦パスタの第1のメインディッシュ、トウモロコシソースと共に」
ここまでは、とても凝った盛り付けでしたが、この第1のメインディッシュは、盛り付けが何の変哲もないプレートにしてみました。しかし、これには仕掛けがあります。
トウモロコシのソースを、器状に作ったタルトに入れ、パスタの下に入れています。
そのタルトをフォークでつついて崩すと、とろっとしたトウモロコシソースが染み出てきて、それをパスタに絡めていただきます。
見た目とのギャップを楽しんでいただきたく作りました。

タンボ・ロッジ スペシャルディナー第1弾「アンデスの物語」こちらは下の、「タルト」に入った、トウモロコシのソースが、パスタを少し移動して見えるようにしたところです。
フォークで崩しながらパスタと一緒に食べると、またこれがおいしいのです。🥰

タンボ・ロッジ スペシャルディナー第1弾「アンデスの物語」ここで口休めの軽いドリンクです。
「チチャモラーダ」という名前の、紫トウモロコシと香辛料を使ったペルーの伝統的なジュースをカクテル風(ノンアルコール)に仕上げてみました。
口休めなので、一口サイズの50㏄の器に入れましたが、写真だと大きく見えちゃいますねぇ。(笑)

タンボ・ロッジ スペシャルディナー第1弾「アンデスの物語」「香は東の風に乗って(魚もどきの詰め物、かぼちゃのソースと共に)」
アンデスでは「東(オリエント)」と言えば、アマゾンをさす言葉です。そのアマゾンで獲れる、淡水魚の「ナマズ」をベジで再現してみた、第2のメインディッシュです。
魚もどきを丸い輪のように揚げて、そこに色々なものを詰めました。
そこにアンデス原産のかぼちゃを使ったソースを添えて、米粉100%のパン(写真はありません)と共にいただきます。

タンボ・ロッジ スペシャルディナー第1弾「アンデスの物語」こちらの器、実は魚もどきの詰め物と共にお出ししたものです。
魚もどきの料理には、魚の臭み(ベジだから臭くないんだけどね 🤪)を消すために、生姜とニンニクを料理に入れたいところです。
しかし料理には入れていません。
ここで嗅覚が活躍します。
小さな「炭」に火をつけ、真っ赤になっいたところで器に入れ、フレッシュな生姜とニンニクをおろしたものを入れて、ほのかに煙を立たせます。
その煙の臭いを嗅ぎながら、魚のメイン料理をいただくという趣向にしてみました。

タンボ・ロッジ スペシャルディナー第1弾「アンデスの物語」こちらはペルー最高峰の山、双耳峰の「ワスカラン」(標高6768m)。アンデスでも3番目に高い山です。
次のスイーツは、この山をイメージした山栗のモンブランです。🌰やはりこの秋の時期だからねぇ。(笑)

タンボ・ロッジ スペシャルディナー第1弾「アンデスの物語」「ワスカラン」
モンブランはスイスの山の名前ですよね。だからこのスイーツは、ペルーの山の名前を付けました。🏔(笑)
双耳峰のワスカランらしく、頂が二つあります。
下の緑色の部分は、アマゾンの緑を意識した「枝豆のモンブランクリーム」です。

タンボ・ロッジ スペシャルディナー第1弾「アンデスの物語」さて、それぞれにコーヒーや紅茶などの食後のドリンクが配られたあと、「お茶うけのお菓子」の時間です。
クリスマスツリーに飾り付けられ、ぶら下がった小さい袋。
そこに紙吹雪を支配人が皆様の前でかけて、雪のイメージを演出します。

ツリーに下げられた小さい袋には、一口サイズの「お茶うけのお菓子」が入っています。
お一人様3個までとっていただきました。

タンボ・ロッジ スペシャルディナー第1弾「アンデスの物語」皆様、お一人3個ずつ取ってくださいね~~。
しかし、実はね、この中に3個「ハズレ」があるんですよ。小さな石ころを3個だけ包んでぶら下げましたからね。🤪( ^^) _U~~
ちょっとした悪戯をわたくし、しちゃいましたよ~~。🤪🤣(笑)
さあ、だれがハズレを掴むかな。
めちゃくちゃ盛り上がりました。⤴

タンボ・ロッジ スペシャルディナー第1弾「アンデスの物語」ちょっとピンボケだけど、これが「お茶請けのお菓子」です。
超おいしい米粉のお菓子を作る、奥澤美紀さんの「GOHOUBI」の米粉クッキー、私が作ったオートミールと米粉のクッキーなどです。

全てが終わるまで、3時間もかかってしまいました。まるでミシュランガイドの星付きレストランの夜のコース並みです。
でも私、特別に頑張りました。✊参加した皆様は楽しんでいただけたかな?。

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