創作ペルー料理のレストラン「Salamanto Restaurante」
2018年12月12日(水)、遥々600Kmの道のりをCuscoからArequipaまでエコノミーバスで移動してきた私たち。
宿に落ち着いて一息入れると、もうお腹ペコペコです。
この日は朝はおむすび、昼は買っておいたパンをそれぞれ車内で軽く食べただけですからね。
そして標高も低くなり(約2300m)、消化機能も活性化され、大食いしても大丈夫な環境に!!。(笑)
そこで、この町で一番行きたかった創作ペルー料理のレストラン「Salamanto Restaurante」へと足が向きました。
画像はクリックすると拡大します
ホテルで一息ついたため、出かけるのが少し遅めになってしまいました。
お腹すいたので、急ぎ足で目的のレストランへと向かいます。
Arequipaはきれいな白亜の石積みの町で、とても落ち着いた雰囲気です。
目的のレストラン「Salamanto Restaurante」に到着しました。
宿から近いのがうれしいです。
このレストランは、2008年にも行ったことがありますが、その時とは名前が違っていました。
どうやら経営者が変わったみたいです。
当時も創作料理のレストランで、とてもユニークな料理だったことを覚えています。
さて、標高も下がったことだし、地ビールで乾杯しましょうね。
この「Arequipeña(アレキペーニャ)」と言うビールは、この町でしか見かけません。
ペルー全国や世界的に名を知られたCuscoの地ビール「Cusqueña(クスケーニャ)」とは違い、地味な存在ですが、私はかなり好きなタイプです。
では乾杯と行きましょう。
ここからは標高低いしね、悪酔いはしませんから。
支配人も一気飲み。(笑)あ~~爽やかで五臓六腑に染み渡る!!。
メニューは数ある中で、「Menú degustacion(メヌー・デグスタシオン)」(テイスティングメニュー)にしてみました。
これは色々な料理が小さめの盛り付けで多数出てくるというメニュー構成のコース料理です。
だからレストランの本領を味わうことが出来るんですね。
その中で、「肉料理」を別なものに差し替えられるか聞いてみたところ、OKしてくれたのでお願いしました。
どうも個人的に肉は獣臭くてあまり積極的に食べたくないんです。
最初は付け合わせの2種類のパンが出てきました。
二人分だけど、量が多いですね。
腹ペコな顔をしていたのかなぁ、私たち。(笑)
おお~~、なんと前衛芸術のようなお皿が出てきました。
これは実はパンに付けて食べるためのオリーブオイルのお皿です。
赤や緑に色付けされていて、とても綺麗ですね。
赤は「Achiote」(アチョーテ)と言う木の実をオイルに付けて色を染み出させています。(アナトー色素とも言う)
緑はバジルをオイルに付けて色を出しています。
そして少しのバルサミコ酢と黒コショウと塩が散りばめられていて、とてもおいしい味です。
素晴らしいアイデアです。
前菜と言うか、おつまみの4品が出てきました。
左から「Aire」(空気)、「Agua」(水)、「Fuego」(炎)、「Tierra」(大地)と題されたものが並びます。
「空気」は本当はカモ肉のものでしたが、「オユッコ」と言う名前のアンデス独特にツルムラサキ科の芋のビネガー漬けに替えてくれています。鴨は空を飛ぶので、空気の所に入っているのでしょうね。
次の「水」は、Arequipa名物の「河海老」が使われています。
その次の緑のものは「炎」、「Rocoto」と言う名前の辛いArequipa名産の唐辛子に空豆ソースが詰められています。
空豆のソースは甘めの味付けで、辛さを和らげる役目がある感じです。
一番右のは「大地」、松の木に生えるキノコだそうです。
こちらは「大地」の拡大写真。
松に生えたキノコに酸味と甘味のあるパッションフルーツのソースが染み込ませてあります。
これはおいしい!!。
こちらは「水」の河海老。
コロッケの中にカニ味噌ならぬ海老味噌が入っていて、とても海老の香り高いです。
海の香りがしない河海老、ユニークな味付けです。
スナックの次に出てきたものは、「La diosa de las aguas」(水の女神)と言う名前の料理です。
お洒落な名前にびっくり!!
ライスペーパーに巻かれた、海で採れるコリコリとしたペルーの海苔の「Cochayuyo」と、「Murmunta」と言う淡水のプチプチした海藻と乾燥アサリと河海老、そしてトッピングは海の魚の卵が・・・・
胡麻の味もする、とてもおいしいユニークな料理です。
お次は「Su majestad」と言う名前の料理です。
直訳すると、「彼の威厳」です。(笑)
これはもちろんArequipa名産の河海老をふんだんに使っています。
古い品種のジャガイモにサワークリームが挟まれていて、赤いソースは河海老のソース、
緑のソースはアンデスのハーブ「Huacatay」のソースです。
カッテージチーズは結構塩味がきつめですが、全体としてバランス良い味に仕上がっています。すばらしい!!。
ここで本来は「Cuy(クイ)」(テンジクネズミ)の料理が出てくるところを、こちらの虹鱒の料理にチェンジしてくれています。
これもとても複雑な料理で、温められた石のお皿の上に、味付けされた黒キヌアと小麦粒の上に虹鱒のソテーが乗り、海苔を焼いて作った黒いパウダーがかけてあります。
オレンジ色の細切りのものは、「Aji amarillo(アヒ・アマリージョ)」と言うあまり辛くない、甘さがあるペルーの唐辛子に少し火を通したもので、とても良い香りでおいしいです。
白いパラパラとしたものは、日本にはないアンデスの雑穀「Cañihua」(カニワ)のポップです。
ここまで手が込んでいるのを食べるのが、めちゃうれしい!!。
虹鱒も大きくて、まるで鮭の様なピンク色をしています。
こちらも本来ならアルパカ肉の料理なのですが、ペルーでよく食べる大きい魚の「コルビナ」に変えてくれました。
蒸したコルビナに、オレンジのねっとりとしたバターと混ぜたソースがかかり、ひよこ豆のフムスと赤キヌアをレモンで味付けした粒々が入っています。
下器の石はもちろん温められています。
とてもユニークな料理に驚きました。
このお店のキッチンも開放的で、よくお客様から良く見えるように出来ています。
聞いた所によると、ペルーの中華料理のレストランのキッチンがめちゃくちゃ汚くて、それがテレビで放映され、一時中華を食べに行く人が激減したそうです。
それで各レストランが「うちのキッチンは汚くないぞ!!」と言うことをアピールする狙いで、キッチンをお客様に見せる方向に転換したそうですよ。
しかしこれは安心できるやり方ですね。
タンボ・ロッジのキッチンもこれを見習って、綺麗に掃除しなくっちゃ。(笑)
スイーツの部に入ります。
なんだか玉手箱のような入れ物が出てきました。
中には何が入っているかと言うと・・・・・
玉手箱の中身はキヌアポップがまぶしてあるチョコレートボンボンで、中に入っている洋酒は「Pisco(ピスコ)」と言うペルーのとてもおいしくて香り高い「葡萄の蒸留酒」です。
中からは、Piscoの香りがするとろっとしたキャラメルクリームが出てきました。
やや遅くお店に入った私たちは、どうやら今日の最後のお客さんみたいです。
私たちのコースが終わり、最後のスイーツに取り掛かるころ、キッチンはくつろぎムード!!。
カメラを向けるとスタッフさんも笑顔です。
最後のスイーツがこちらです。
マンゴーのムースに緑色のスポンジはアンデスのミント(Muña)の味、そしてムースの下になんと!!ショウガが敷かれています。
紫色の線は紫トウモロコシから作った甘いソース。
これも実にペルーらしいスイーツです。
あ~~、とってもおいしくて満足できました。
これだけのコースを二人分で253ソーレス、約¥8900です。
日本より物価安いですね。
お腹いっぱいに食べて、満足したところで、歩いても5分くらいのホテルまで帰りましょう。
夜のArequipaの町はライトアップされて、とても美しいです。
泊まっているホテルに帰り着きました。
後はシャワーを浴びて眠るだけです。
こうしてCuscoからの長旅の一日が終わります。