ボリビアの首都、ラパスへ
2008年11月16日(日)です。
私たちは朝早くにチリ最北端の町「Arica(アリカ)」のバスターミナルへと向かいます。
そして乗り込んだのが、チリのアリカ発ボリビアの首都ラパス行きの国際線のバスです。
いよいよ標高4500mのアンデスの峠を越えての国境越えが始まります。
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国際線のバスといっても、こんな感じで、ごく普通のエコノミーのバスなんです。
国際線というからには、もっと豪華だと期待した私が悪かった・・・😣。
バスに乗り込むわたくし。Yさん撮影。
バスは、チリ時間で朝の8時に出発しました。
これから約9時間の、またまたアンデス越え、そして国境越えのバスの旅が始まります。
途中、廃線になった線路を超えてバスは走ります。
実はこの鉄道、チリのAricaとこれから行くボリビアの首都「La Paz」をかつて結んでいた山岳鉄道です。
私も実は1992年に一度今回と逆のコースを乗ったことがありました。
食堂車もついた、立派な特急列車でしたが、ものすごくゆっくりと走っていたことを覚えています。
なんだか懐かしいなぁ~~。
アリカを出発すると、内陸部に向かいます。
しばらくはこんな奇妙な風景が続きます。
アンデスの西側の海岸線は、砂漠です。
それは、このあたりでは、風が常に東から西へと吹いているからなんです。
日本の上空と逆ですね。
で、大西洋やアマゾンの湿気を含んだ雲が、アンデスの東側に当たり、雨をもたらします。
そして、そこで水分を落とした「空っ風」が、西側の海岸沿いに吹いてくるので、乾燥しきってしまっているんです。
冬に日本海側が大雪で、関東地方が「異常乾燥注意報」だなんていう感じと同じ仕組みです。
でも、アンデスは標高が高く、地形が複雑です。
アンデスに降った雪が解け、少しは太平洋側に、川となって流れていくんです。
その川の水を灌漑し、畑を作り、さらに下流には町が点在するという独特な風景が生まれるんですね。
ですから、川の水か来る所だけ、緑なんです。
さて、しばらくすると、コーヒーとクラッカーという軽い朝食が出ました。
バスはぼろくても、そこはやはり「国際線」だからなんでしょうか??
だいぶ標高が高くなってきました。
4000mを超えると「ビクーニャ」が現れました。
この「ビクーニャ」は、上質な毛糸が取れる「アルパカ」の仲間で、野生にしかいないんだそうです。
家畜化することが出来ないらしいのですが、その「毛質」は最高で、アルパカよりもよく、ものすごく珍重される、貴重なものなんです。
もうそろそろボリビアとの国境というあたりで、すごくきれいな風景が現れました。
「湖と富士山」・・なんちゃって( ^^) _旦~~
この山は、標高6342mの「パリナコーチャ火山」(Parinacocha)です。
このあたりの、チリとボリビアの国境地帯はすごく風景がきれいで、両国ともに国立公園に指定しているほどなんです。
「フラミンゴ」がいました。ピンク色のフラミンゴが空を舞い、湖でくつろいでいます。
そしてしばらく走り、バスは国境を越えました。
国境の検問所で下ろされ、荷物検査とパスポートチェックを受けます。
ボリビア入国の際、黄熱病のイエローカード(注射証明書)の提示が義務付けられているということをきいて、急遽成田で注射した私たち。😢
ところがノーチェックでした。
なんだか少しがっかり・・・
しかしたくましいおばちゃんたちが、国境の検問所のところでお店を出していますね。おいしそうな食べ物を売っているようでしたよ。
さあ、ボリビア入国と荷物のチェックが終わり、再びバスに乗り込み、首都の「La Paz」を目指します。
国境を越え、しばらくするとお昼ごはんの車内食が配られます。
じゃじゃ~~ん! お肉とポテトの素朴なごはんです。😢
やはりどこでもお肉が出てくるんですねえ。
ペルーのバスのように、事前にリクエストできる時代が早く来ないかな~
国際線のバスも、やはりぼろかった💥
アンデスの登り坂がこたえたのでしょうか、ラパスまであと50kmというところで、あえなくエンジントラブル。
煙を吐きまくっちゃいました。☁
これはもうどうしようもありません。
ほかのラパスまで行くバスを捕まえて、乗り換えなくては・・・・
で、車掌さんがそれをやってくれました。
もちろん、ラパスまでの運賃も、彼が払います。
故障した大型バスから荷物を出し、小さい乗り合いバスに乗り換える乗客たち。
わたしたちもこの後の車でラパスまで辿り着きました。
いよいよラパスの街が見えてきました。
いつもこの風景を見ると、はるばる旅してきたんだなあ、と感慨もひとしおになるんです。
標高4000mの広い「アルティプラーノ」と呼ばれる平らな大地に切れ込んだ谷間。
そこに谷の斜面に、家がびっしりと建っているんです。
ラパスでは、標高の高い「山の手」ほど、下町(庶民の町、治安が悪い)で、標高の低い「下町」ほど高級住宅街になっているんですよ。
「空気が濃いのも金次第」といったところでしょうか。
でも、明るい見晴らしがいい下町、というのも、なかなかおつなものですよ。
急な斜面にびっしりと立っている家が、貧民街の家々です。
眺めの良い貧民街、なんだかちょっと違和感がありますが・・・・(笑)
こちらは「La paz」のシンボルの「イリマニ山」(Nevado Del Illimani)標高6439m。超恰好良い山です。(別の日に同行のYさん撮影)
バスのトラブルを乗り越えて、やっとの思いで到着したボリビアの首都「La Paz(ラパス)」。
ペルーの高地都市「Ayacucho(アヤクーチョ)」を出てから4日目にして、約2500㎞の長距離移動が終わりました。
私たちは中庭がある明るいホテルに泊まることになりました。
一気に標高が上がりました。(ラパスは標高3600~4000m)
そこで、夕食は、いつものような「暴飲暴食?」は避けて、質素に「ベジタリアン・サンドイッチ」と行きましょう。(笑)
これなら軽くて消化がよさそうですよ~~。