グルテンフリーの嘘、本当(3)粉物の悲劇
グルテンフリーの嘘、本当シリーズ3回目です。
2回目まではグルテンフリーとウィートフリー(小麦フリー)の違いについて述べました。
小麦を除去しただけなのに、グルテンフリーであると勘違いしている方が多いからです。
3回目からは新しい課題に入りましょう。
題して「粉物の悲劇」。
実は小麦って、粉しかありません。(たまにほんの少し削っただけのものも存在しますが)
なぜかというと、お米の「白米」のように皮を完全に剥いて、「粒」状態で存在させることが出来ないからです。
だから粉にするのです。
どうしてかというと・・・・・下の写真をご覧ください。
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写真の下に横たわっているのは、ドイツ起源の「ディンケル」と言う品種の古代小麦の穂です。
それを手で剥いて行きます。
横並びの左のものは、「穂」から粒一つ分を取り外したところです。
2番目は、籾殻を取り除いたところ。2つの種が入っているように見えますね。
一つの鞘から2つの小麦粒が取れるんですね。
そしてその右隣はさらにそれを剥いて行くと、2粒の小麦の種が出てきます。
その硬い皮をむこうと、一生懸命爪を使って剥がそうとしますが、一番右の様に、中の胚乳の部分が崩壊して、粗い粉になってしまいます。
つまり、小麦は殻よりも中身が柔らかいために、「白米」に当たるものは出来ないのです。
要するに、粉にするしかない!!!。
だから小麦はほとんどが「小麦粉」として流通しているし、小麦を使った製品は「粉物」だけと言ってもよいくらいなんですね。
それに対して「お米」はどうでしょうか。
精米できます。
白米に出来るんです。もちろん分搗き米も出来るし、玄米でも食べられます。
ご飯というものですね。
ご飯は、お米を洗って水を加えて火にかけるだけで食べられます。
つまり、加工の余地が少ないんです。
小麦はどうでしょうか??
粉にするしかないので、加工に色々なものが入ります。
そこに「添加物」だったり、油脂だったり、糖分だったり・・・・
だから加工に良い物を使わないと、「悲劇」が起こるんですね。
アレルギーになりやすかったり、調子悪くなったり・・・・
つまり、何か加工しないと食べることが出来ない・・・・
お米のように単純に「炊いて食べる」ということが出来ないからなんですが、粉だからこそできる良さもあるんですよね。
膨らませたり、結着させたり、とろみをつけたり・・・・・
しかしそこに添加物や加工の時のストレスが入り込む余地が生まれます。
最近「グルテンフリー」が健康的・・・というイメージが独り歩きをしているように感じるのは私だけでしょうか?。
グルテンフリーを意識すると、どうしても「米粉」など、小麦粉とは別な粉物に意識が向いてしまいます。
でもそこは注意をしないと、「粉物の悲劇」が待っています。
米粉でパンを焼く・・・米粉でスイーツを作る・・・米粉の麺を選ぶ・・・
決して悪いことではないけれど、そこに「添加物」や加工のストレスがあるかを良く見ておかないと、「小麦」の二の舞になってしまいます。
つまり、「粉」になった以上、米粉も小麦粉も、もちろん雑穀の粉も、同じ土俵に乗っているということですからね。
小麦粉を米粉に変えさえすれば良い・・・というのはちょっと考えなさすぎに思えてなりません。
写真は2015年の9月に新発売になった、タンボ・ロッジの無添加ヴィーガン・スイーツに使う専用の「こめっ粉40」です。
もちろん無農薬・無施肥の自然農法のお米が原材料です。
だから余計に「無添加」で使って欲しいです。
添加物のベーキングパウダーを入れて膨らませないでねぇ~~。(笑)
この粉を使ったスイーツの教室は、年1回、タンボ・ロッジの4回シリーズの「こめっ粉40」スイーツ教室 で習うことが出来ます。