グルテンフリーの嘘、本当(11)パスタの話(1)
前回まで、小麦やグルテン、さらに脱線して米や粉物の話まで書いてきましたが、今回と最終回の次回は、「パスタ」の話を書いていこうと思います。
「パスタ」といえば、皆様はほとんどの方が「イタリア料理」を思い浮かべるのではないでしょうか?。
しかし、今や「パスタ」は世界中至る所で食べられる、いわば「国際食」と言って良いほど、あちこちで見かけますね。もちろん日本でも。
パスタの原料は、ご存知のように小麦です。
だから、このシリーズに取り上げないわけにはいきませんからね(笑)。
最近イタリアでも、小麦アレルギーが増えていると聞きました。
あの「スローフード」発祥の地、イタリアでもですから驚きです。
それはどうしてでしょうか、その辺を紐解いていくことにより、どんなパスタを選べばよいかが見えてきます。
パスタの原料となる小麦は、「デュラム小麦」です。
このデュラム小麦は前にも書いた「小麦の進化過程」の2番目に当たる「二粒小麦」を祖先にしています。
そう、「祖先」です。
今、パスタの原料として世界で生産されているデュラム小麦(durum)は、その「二粒小麦」を元にして、イタリアを中心に「人為的品種改良(放射線育種を含む)」がなされたものになっているそうです。
そのあたりについては、「こちら」のページの後半を読んでくださいね。
だから、いくらオーガニック栽培と言っても、デュラム小麦である以上、その辺をよく調べないといけません。
オーガニックとは育て方のことであって、品種の問題ではないからです。
イタリアでは、国内生産のパスタを賄える「デュラム小麦」が足りなくなって、今はかなり輸入されていると聞きます。
しかし、イタリアにデュラム小麦を輸入し、そこでパスタに加工し、その製品が日本に入ってきたとしても、表示はもちろん「原産国・・・イタリア」となります。
前回も書いたとおり、今アメリカで栽培されるデュラム小麦のなんと!!99%が、除草剤(枯葉財)を使い、小麦を枯らしてから収穫するという農法のものですから、「イタリア産パスタ」と言っても、オーガニックではない限り、そういう粉が使われている可能性が高いでしょう。
さらにパスタは、生パスタでない限り、「乾燥」させなければいけません。
その乾燥の過程ででんぷんやたんぱく質が変性する可能性があります。
そのあたりについては、次回に書きたいと思います。
写真はどう見てもゆで過ぎの伸びきったパスタ。
パスタを「アルデンテ」で食べるのを好むのは、日本と北イタリアくらいだそうですよ。
だからペルーの高原都市「ワンカイヨ」で私が食べたこのパスタは、私にとっては「ゆで過ぎ」です(笑)。