「Mugariz」のテイスティングメニュー
前の記事(ミシュランガイド2つ星レストラン「MUGARIZ」)からの続きです。
ではでは、私たちが2013年11月1日(金)に、スペインのバスク地方にある2つ星の世界的にも有名なレストラン「ムガリッツ」で食べたメニューを紹介しましょう。
いろいろ選べるメニューの中で、私達は一番種類が食べられる「テイスティングコース」(1人170€、チップ、お酒別))を選びました。
(ちなみに、私は「肉」抜きのメニューを予約した時にお願いしてあります。)
品数の多さとユニークさに圧倒されましたよ。🤐
ここまで来ると、食事も「オペラ」や「バレエ」などと同じ「エンターテイメント」だと感じました。
食べた人を楽しませる工夫があちこちにちりばめられていますからね。
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これから始まるエンターテイメントの前に、まずは皆で「乾杯」!!🥂・・・(私は頭の傷を思いやり、スパークリングウォーターですが)
これから数品は前菜の部です。
ここのレストランでは、前菜はどうやら「手」で食べるみたいです。
「星付きレストランなのに、手で食べるとは!!💥。」と、自身もイタリアの3つ星のレストランで働いていたことのある朝倉さんが絶句!!😱
まず最初に出て来たのは、お皿替わりの黒い石に乗った「スモーク・ロブスター」。
綺麗な盛り付けと、意外にも出だしがオーソドックスなのに驚きました。
じゃじゃ~~~ん❣💥、「石ころ」が出てきました。何だこりゃあ~~。見た目は石そのもの。
でもこれ、全部食べられるの。下の砂までね。
石ころは実は「じゃが芋」です。
からしマヨネーズ(写真に写っていない)を付けていただきます。
では下に敷いてある「砂」は・・・・・
聞いててみると、これは「粘土」だそうです。「食べられる粘土」・・・・
アンデスのとある地方では、じゃが芋の毒消しのために、近くで採れる「食べられる粘土」と一緒にじゃが芋を食べるところがあります。
これは1本取られましたね。
アンデスの伝統食にもつながるアイデアです。
「天婦羅」が出てきました。上には「シナモンのクリーム」が塗ってあります。
天婦羅とシナモンなんて、日本人なら考えつかないかもですよ~~。
この天婦羅、裏から見ると、もろに「紫蘇」!!!
表面から「紫蘇」が見えないように上手に揚げていますね。
もちろんこの「紫蘇」は、レストランの入口の菜園で育てたものだそうです。そうでもしないと、普通にここバスクでは手に入らないもんね。
いきなり「チコリ」が木の板に乗って出てきました。胡麻ペーストが根元に塗ってあります。
でもまだ手を付けてはいけないそうです。
そして、変なものが・・・・・これは実は「蜂蜜」たっぷりの「ミツバチの巣」です。
これをチコリに乗せて食べるんですって!!。
こうやって・・・・
すべて完成された料理だけではなく、こうして食べる人にもやらせるところが憎い😶!!。
日本でも良くお蕎麦屋さんなんかで、「生わさび」をお客様に摺って食べていただくところがありますよね。
それの真似の様な気もしますが・・・・・
次なる物は・・・・温められた黒い石に乗って、桜エビの天婦羅が出てきました。
「ポケットの中の小さな甲殻類」と言う意味の名前が付いています。
そしてコロッケ・・・・
素材はほうれん草とじゃが芋ですが、普通なら「じゃが芋のほうれん草詰め」にするでしょ。
これ、逆なの。「ほうれん草ペーストのじゃが芋詰め」になっている~~~。
驚きを与える料理です。Σ(・□・;)😱
やはり温められた黒い石に乗って、「セタ」と呼ばれる大きめの地のキノコとマッシュルームが出てきました。
この盛り付けがユニークです。
手で食べる前菜の部がやっと終わりました。ここからは、まずは「スープ」だそうです。
スプーンとフォークがやっと出てきましたよ。(笑)
そして、何やら「かき氷」が皿の上に乗って出てきました。そこに、赤いソースを垂らしていくと・・・・・
赤いかき氷です。でも、次第に融けて、なんと「エビの冷製スープ」になるという仕組みです。
濃厚な海老ソースがとてもおいしい!!。
ここからまた、前菜の部第2弾が始まります。
これがまたおいしかった!!。
いぶした(軽く燻製にした)ロブスターを、発酵米、つまりまるで「塩麹」の「塩」を抜いたもので漬けこんであります。
日本食の影響を受けているとしか思えません。
カニ肉のほぐしたものに、生のマカデミアンナッツを乳鉢でなめらかにすりおろしたソース、上にレッドペッパーをかけた一品です。
さて、ここでなんだか「漫画」が描かれたランチョマットが出てきました。
これはここで一つゲームをするんだって。
小さな袋に入っている、まるで「歯」の形をした焼き物を、他の人に見えないように手の中に隠します。
そして、その数をお互いに言い当てるんです。
そうすると・・・・・
まずは、大きめの「歯」のような器に乗ったもの、なんと高級な「キャビア」ですよ。贅沢な!!。
そして・・・・
なんだか「茶碗蒸し」のようなものが出てきました。
実はこれにその「キャビア」を乗せていただくのですが、「キャビア」は一人分なんだそうです。
先ほどのゲームで、見事「歯」の数を当てた人が「キャビア」を独り占めにできるんだって!!!!
勝ったのは「朝倉さん」!!!。えらそうにガッツポーズをしていますよ。💪💪(笑)
「少しちょうだい、ねっ、ねっ。私、頭、痛い思いしたんだからさ!!。」
「だめっ!!」・・・・ひゃ~~、冷たいな~~。😱
と言いつつも、4人で分けて食べました。なんだかこんな食べ方って、楽しいな~~~。♪♩🎵(^^♪~~♪!!
前菜第2弾の部はこのサラダで終わりです。桜エビのだしとレモンバームの利いたさわやかなソースのサラダですよ。
ここからメインディッシュの部です。・・・・が
なんだかデザートが出てきちゃったんじゃないのぉ~~??。❓
実はこれ、豆腐を使った「カスタードプリン」ですが、上のソースが「鴨肉(骨つき)」を長時間煮込んだ濃厚なソースです。
「肉の塊は食べない」と言う風にリクエストしたので、こういうものが出て来たのですね。
めちゃ久しぶりに食べる肉の風味、なんだか懐かしい(昔は結構肉を食べていたから)感じがしました。
さて、もうデザートかと脅された後は、魚メニューが続きます。
メルルーサ(バスク名産の白身魚)の「タイガーナッツ」ソースかけ。
液体は、なんと「濃縮アサリのジュース」ですって。
タイガーナッツのソースは、なんだかかなりどっしりしていて、「石膏」のような感触です。
赤いボラ(金目鯛かと思ったけれど)と、そのレバーバター(上に塗ってあるもの)、そして、アーモンドとパンのローストがかけてあります。
アーモンドとパンのローストは、まるで昔よく食べた「でんぶ」に似た雰囲気です。
「でんぶ」は着色料でピンク色だけど、これは自然の色だし、なんだか真似して作ってみたいです。
ここで肉を食べる人は、「肉メニュー」が出てきましたが、私にはこれが出てきました。
なんでも「ドラード」と呼ばれる魚だそうです。
そこに、魚の皮だとか、海老のひげをローストして作ったソースをかけてあります。
廃物利用でこんなにおいしい物ができる!!!。💥😱
さて、ここからがやっと「デザート」の部です。
最初はイチジクを使ったアイスクリーム。中に挟んである「お焼き」のようなものはと言うと、ロシア料理の蕎麦粉のパンケーキ、「Blini」だそうです。
まずはオーソドックスな物から出てきましたね。
この後どんな仕掛けがあるのかと、期待しちゃいますよ。(笑)
薄い「ウエハス」ではさんだ「フローズンアーモンドのトゥロン」。「Turrón(トゥロン)」とは、スペインの「ヌガー」です。
さらにスイーツが続きます。
何やらまん丸の葉っぱ。これは「メキシカン・ペパーミント」ですって。葉の上には粗塩が少しまぶされています。
そしてそれが乗っかっている黒い板も、冷やしてあります。それは、裏のチョコレートが融けないために。
裏には何と、「葉脈」までチョコで形が作られています。なんと「芸」の細かいこと。!!!😱。
スイーツの最後は、まるで押し花の様なペーパー。このペーパーがスイーツです。
「花と紙」と言う名前です。そのものですね。なんだか食べるのもったいない!!。(笑)
もうお腹いっぱいです。ここでやっと飲み物の「コーヒー」です。これはエスプレッソコーヒー。
私はお腹いっぱいだからね、少しの量にエスプレッソにしちゃいました。
こちらは「紅茶」です。さて、これで終わるかと思いきや・・・・
なんだか「塔」の様なものが出てきました。これは高級レストランで必ず最後に出てくる、「お茶請けのお菓子」です。
メニューを見ると、色々と一言の英語が書いてあります。
これ、結構おちょくった感じで面白い!!。
実かこれ、「七つの大罪」を意味しているそうです。
七つの大罪とは、おもにカトリック教会における用語で、。Wikipediaによると、「ラテン語や英語での意味は「七つの死に至る罪」だが、罪そのものというより、人間を罪に導く可能性があると見做されてきた欲望や感情のことを指すもので、日本のカトリック教会では七つの罪源(ななつのざいげん)と訳している」とあります。
では、上から中身と言葉を紹介しましょう。
一番上は「Pride」、プライド・・・・金色のおいしそうなチョコレートです。輝くプライド・・・・・°˖✧◝(⁰▿⁰)◜✧˖°✨
しかし、その中身はというと・・・・
プライドの中身は「空洞」!!!笑えるぅ~~~ヽ(^o^)丿🤣🤣。
2段目は「Envy」、「羨望」ですって。
中は「お金の形のチョコレート」。しかも、まるで地面から発掘でもしたような想定ですね。
宝を掘り当てた人への羨望でしょうか?。これも笑えるぅ~~。🤣
3段目は「Wrath」、「激怒」です。
食べてみると・・・・めちゃくちゃ辛いマシュマロ・🤬・・・これは1本取られましたね。🤣
4段目は「Gluttony」、「大食い」だって。まるで私見たい・・・・。🤣
豆にチョコがコーティングされています。
そして5段目は何も入っていません。それは・・・「Greed」、「欲」だって。
だから何も入っていないのね。
何が入っているかとワクワクしているお客をなめとんのか!!と言いたくなるけれど、とても笑わせてもらいました。🤣
6段目です。
「Lust」、「喜び」ですって。甘くとろっとした、苺ミルクとチョコレートのソースです。
本当にこれは「喜び」だねえ。
一番下の段です。「Sloth」、「怠け者」ですよぉ~~。甘い洋梨
本当にたくさん食った食った!!!。💥。
なんだかとても「哲学」の様なものを感じたし、エンターテイメントを感じました。
もう夕方の5時を少し回っています。
タクシーでサンセバスティアンの町に帰りましょうね。
予定していた今日の夕食のBAR廻りは、お腹いっぱいで無理の様な気がしますよ。