グルテンフリーの嘘、本当(6)現代の米の現実(2)
グルテンフリーの嘘、本当シリーズも6回目となりました。
グルテンフリーをキーワードに、様々な問題が出てきますね。
まだまだ続きますので、どうぞ読んでやってくださいませ。
ここでちょっと注意書きを書いておきましょう。
前の回に、お米のデンプンの「アミロース」と「アミロペクチン」の数値の表を、(株)グゥーのホームページよりにリンクして貼り付けました。
ただ、そこの注意書きにも書いてある通り、お米のでんぷんのアミロースとアミロペクチンの比率は、常に一定ではありません。
その年の天候や、育てる圃場の条件、土の質、自家採取する、しない等により、かなりの割合で変化しますので、これはあくまでも「参考的数値」と思ってくださいね。
ところで、前回と今回は、小麦やグルテンの話から脱線して、日本人のソウルフードの「お米」に関して書いて行きたいと思います。
前回は、「人為的品種改良」によって、もともとの性質とば別の「でんぷん」が出来てしまっているという話をしました。
その自然界にはなかったでんぷんが、人体にどのように働くのかを科学的に検証した論文や実験を私は知りません。
そして体にどれくらいの負担をかけるのかも未知の世界です。
しかし、感覚を研ぎ澄まし、五感をフルに使う毎日を送っている方は、何かおかしいことに気付き始めたのではないでしょうか?。
私の友人で、イタリアから本物のオリーブオイルや農産物を輸入している朝倉さんという方がいます。
その方の「オルチョ通信」新年号に、面白い記述がありましたので、引用させていただきます。
引用開始・・・・・
昨年の十二月松江のマクロビオティックのお店ひまわりさんにオルチョ講習に行ってきました。
女性オーナーの伊達さんは小柄ですが大きな声ではっきりものをおっしゃるダイナミックな女性でした。
さすが四十年の歴史のある老舗店のオーナーさんです。
店をするきっかけとなったのがとても興味深くご自身が一九歳の時に膠原病と診断され、行き着いたのがマクロビオティック玄米菜食だったそうです。
そしてなんと一年で病気が改善治癒したんだそうです。
それから伊達さんはマクロにまっしぐら、一点集中脇目もふらず広めることに力を注がれ無農薬野菜や自然食品をリヤカーで販売することから始められたそうです。
伊達さんにとって食の大切さを多くの人に知ってもらいたいという気持ちの強さが想像できます。
そしてその当時は病気の方もマクロ食(玄米を中心にした独特の調理法による菜食)でみるみる治っていったそうです。
しかし現在はそうもいかないと伊達さんは言います。
その原因は食物に・作物に力がない、そして治癒力を引き出す(人間側の)体力がない、と。
私も常日頃うすうす感じていたことでしたが四〇年の体験をもつ伊達さんの口から出た言葉はとても印象に残りました。
作物、食品、そして人すらも以前のような本来の力がない、ということです。
・・・・・引用終わり
なぜその昔に威力を発揮したマクロビオティックというものが、昔ほど効かなくなってしまったか??。
マクロビオティックでは病気を治すための「食養生」として、「玄米菜食」を勧めます。
玄米菜食だけがマクロビオティックではないのですが、養生にはとても良く効くんですね。
しかし、その主食となる玄米が、どのようなものか…までは考慮されていないというか、それを指導された方もほとんど品種のことまで考えていないのが現実でしょう。
前回に書いたとおり、その「お米」が、さまざまな品種改良を経て、消費者の好みに合うように、「モチモチ」した、「アミロペクチン」が多いお米になっているというのは現実です。
だから、主食でたくさん食べるものだけに、良く選ばないといけません
ある自然農法の農家さんのおっしゃっていたことが現実化してきています。
それは、マクロビオティックの伝説的な創始者の桜沢一如さん(1893~1966)のころの玄米を食べないと良くならないのでは?。ということなんですよ。
つまり、創始者の指導は、当然その時代のお米を使っています。
しかし現代は・・・・
このことは「小麦」にも大いに言えると思います。いや、小麦以外の作物も当然に・・・・・。
しかし、何回も書いているように、一番たくさん食べる「主食」を気に止める必要があると思えてなりません。
日本人は「お米」。アメリカやヨーロッパの人なら「小麦」。
最近の日本人は、かなり小麦も食べるので、小麦に関しても相当気を使わないといけないと私は考えます。
次回からはその小麦に戻り、グルテンフリーの嘘、本当のテーマを突き詰めていきたいと思います。
写真は、自然農法(無農薬・無施肥)の「高アミロース米」である「ササニシキ」を原料にした、タンボ・ロッジ開発のスイーツ用粗挽き米粉「こめっ粉40」です。
皆様よろしくね(笑)。