2012-11-17

涙のHontanas(オンターナス)

2012年11月17日(土)、朝からあいにくの雨が降る中☂、大都会のブルゴスを出発し、麦畑以外何もない、巡礼路ですごく過酷だと言われる広大な「メセタの台地」をひたすら歩く日です。
「Rabé de las calzadas(ラベー・デ・ラス・カルザーダス)」の小さい街のBARで軽い昼食をとった後、私たちは小雨の降る中、いよいよ広大な「メセタの台地」と呼ばれる区間に差し掛かります。

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涙のHontanas(オンターナス)「Rabé de las calzadas(ラベー・デ・ラス・カルザーダス)」の町を出て、いよいよ麦畑以外に何もない「メセタの台地」へと向かいます。
少し丘を登ればそこは・・・・💦

涙のHontanas(オンターナス)本当に何もないんだから😱・・・・・・

涙のHontanas(オンターナス)そして、さっきの町「Rabé de las calzadas(ラベー・デ・ラス・カルザーダス)」から歩くことおよそ8Km、「Hornillos del camino(オルニージョス・デル・カミーノ)」の町が見えてきました。
町の先には、さらに大きな台地が広がっていますね。
でも、今日はここで泊まる予定ですからね。😊。
しかし、この下り坂が、折しもの雨でぐちゃぐちゃの泥道なんですよ。
数歩歩くと足が重たくなるので靴を見ると、たっぷりと「泥」がくっついているではありませんか!!。😱
時々それを落とさないと、とても疲れます。
そしてやっと下に降りて・・・・・

涙のHontanas(オンターナス)ふ~~~!!やっと町だ~~~。「Albergue(アルベルゲ)」(巡礼者用宿泊施設)を目指そう・・・・・
ところが・・・・・・😱。

涙のHontanas(オンターナス)「Albergue(アルベルゲ)」(巡礼者用宿泊施設)を案内する矢印に従い、右折しようとすると、近くのBARのお姉さんが出てきて、「アルベルゲは閉まっているよ。」と言いました。
「うっそお~~~!!そっそんな!!。❣💥。😱」
だって、スタート地点でもらった情報によると、年中無休と書いてあるし・・・・
でもやっていないとすれば、仕方がないので「Hotel(オテル)」(ホテルのこと)か、そのホテルのワンランク下の「Hostal(オスタル)」はあると書いてあるし、看板もあったので、聞いて見ると・・・・
「そこも閉まっていますよ。今オフシーズンだから、休暇を取っているのでね。」
と言う、にわかに信じられない話です。
「では、この町に泊まれるところはないんですか?。」
と聞くと、「Sí」(はい)だって・・・・
どっどうしよう・・・😱😱。

困り果てた私たちに、そのお姉さんは言いました。
「ここから8Km、巡礼路とは別の方向に行ったところにホテルがあり、泊まることができるよ。そこまでは🚕タクシーを呼んであげるから行くと良い。そして明日の朝ここまでタクシーで戻り、歩きはじめたらいかがかな?。」
お~~、それは助かるけれど、なんだか車に乗るというのが気に入らない私・・・・🚗

お姉さん曰く、
「あとはこの先11Km歩くと、Hontanas(オンターナス)の町があり、そこは間違えなく「Albergue(アルベルゲ)」(巡礼者用宿泊施設)がやっていますよ。」

さあ、どちらにするか、選択肢は2つです。
このままあと11Km歩くか、タクシーを呼んでもらってホテルまで行くか・・・・
時間は午後3時半です。
11Kmと言うことは、私たちの足ではおよそ3時間半近くかかってしまいます。(大きな荷物を背負っているので遅い)
と言うことは、到着は午後7時くらい。もう真っ暗になるころです。

決断の時が来ました。
支配人と相談し、「よしっ!! 歩こう。」👣❣💥👣。

そこでBARのマスターがそばにいたので、相談しました。
「私たち、お腹空いているし、到着が遅くなると何も食べられないかもしれないので、どこかでパンは売っていませんか?。」
すると、マスターが、「ちょっと待っていて。」と、BARの中へ消えました。
しばらくすると出てきて、大きなパンを1本持ってきてくれました。
「わ~~、うれしい!!。♪♩🎵(^^♪~~♪!! いくらですか?。」と聞く私。
すると、マスターは
「お金はいらないよ、持って行け。良い巡礼をな。」と言います。
「そっ、そんなあ。」と私。
「いいから持って行け。」と、BARのマスターは言って、その大きな袋からはみ出したパンで私の顔をペンペン💥と叩いて励ましてくれました。
あと11Km、頑張るんだぞ・・・

あ~~、涙が出てしまった・・・・😢😢。

よ~~し、頑張って歩くぞ!!。

そして、BARのお姉さんとマスターに見送られて、再び私たちは疲れた足を引きずるようにして、メセタの台地を進んで行きました。(写真の左に写っている人が、そのBARのマスターです)

涙のHontanas(オンターナス)小さな町を歩きはじめると、すぐに町が終わり、丘を登るとそこはまた広大なメセタの台地です。

涙のHontanas(オンターナス)小雨が降っていましたけれど、とにかくお腹すいちゃった・・・・・🤪(笑)ではさっそくさっきいただいた、愛情たっぷりのパンをいただくことにしました。🍞
うを~~~、おいしい!!!。
それにしても、支配人さんの疲れた顔!!。🤐。

涙のHontanas(オンターナス)「Hontanas(オンターナス)」の町までの11Kmは、本当に遠かった・・・・次第に夕暮れてきました。
そして小雨☂が降って寒いです。🥶、そんな中を、ひたすら歩きます。
しかし、大きな空とそこから漏れるように時々注ぐ太陽の光。
そして時折の大粒の雨。
まるでこの世ではない風景の中を歩いていきました。

そんな道筋を、良く見ると2輪の轍が付いています。
これはあの小さいリヤカーを引いているフランス人の足跡です。
おお、彼もこのどろどろ道をリヤカー引いて歩いたんだな、と思うと、それが励みになりました。
そして安心感にもつながります。
いくら遅くなっても、この道を歩いていけば、巡礼仲間が待っているんだと・・・・💡

涙のHontanas(オンターナス)だんだん夕焼けが美しくなります。そして静かに降っている小雨。☂とても美しい✨天上の世界を歩くような気がしてきました。

涙のHontanas(オンターナス)さらに暗くなりました。それでもまるで天上の世界をさまよい歩くがごとくに、無心に歩いていきます。
でも、不安感はどこにもありませんでした。
いや、それどころか、なんだか幸せな感じすらしたから不思議です。

それにしても、オンターナスはなかなか見えてきません。
道ははぐちゃぐちゃの泥道です。
暗さが増しても、不安には思えません。
「神」に守られているとしか思えない感覚のひと時です。

涙のHontanas(オンターナス)しかし、遠くの方にかすかに光が・・・・・まっ、町が見えている。そして教会も・・・・

涙のHontanas(オンターナス)オンターナスの町に入っていきます。
かすかな空の青さ、町の光・・・・
疲れたかもしれないけれど、何故か充足感と美しさに心は満たされていました。°˖✧◝(⁰▿⁰)◜✧˖°✨とても不思議な感覚です。

涙のHontanas(オンターナス)雨に煙る美しい「Hontanas(オンターナス)」の町の夕暮れ。素晴らしい充足感でいっぱいになりました。

涙のHontanas(オンターナス)さあ、アルベルゲ(巡礼者用宿泊施設)まで来ました。ついに私たちは到着したんです。オンターナスに。
そこには巡礼仲間が待っていました。

かくして、「Hornillos del camino(オルニージョス・デル・カミーノ)」と、「Hontanas(オンターナス)」の町は、私たちの今回の巡礼の中で、一番思い出に残る町となりました。

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