2025-01-11

タンボ・ロッジ新春スペシャルディナー「じゃがいもの来た道」

2025年1月7日は、タンボ・ロッジの新春スペシャルディナーの日。
この日のスペシャルディナーは、2019年に初めて作ったコース料理の「じゃがいもの来た道」を再現したものです。
じゃがいもは言わずと知れたアンデス原産植物で、今では世界で作付面積第4位という、アンデスから世界に広がった植物です。
じゃが芋の原産地はアンデス高地のチチカカ湖周辺。
そこで生まれ、世界に旅立ったじゃが芋が、偏見にまみれながらも地球の裏側の日本まで到達する様子を料理で表現してみたものです。

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持ち回りの食の研修会16回目は「タンボ・ロッジ」じゃが芋原産地のペルーとボリビアの国境に広がる標高約4000mの瀬戸内海ほどの大きな面積のチチカカ湖。
その中のペルー側の島「タキーレ島」で私が撮影した珍しい、じゃが芋の実の写真です。
じゃが芋は球根で増えますが、こうして実をつけて種で増やすことも可能です。
でないと、交配できませんからね。

タンボ・ロッジ新春スペシャルディナー「じゃが芋の来た道」「じゃがいもの来た道」のコース料理の最初は、そのじゃが芋の実に似せた作り物のサラダです。
ナス科のジャガイモの実は、同じナス科のトマトとそっくりですが、毒が濃厚で苦くて食べられません。
そこでマッシュポテトで作りものを作り、「じゃがいも誕生」のイメージをサラダに託してみました。

タンボ・ロッジ新春スペシャルディナー「じゃが芋の来た道」2品目は、アンデスの文明を支えた保存性の高い「チューニョ」(凍結脱水乾燥ジャガイモ)のペルー風マリネです。
でもこのマリネ、酸味をほとんど付けてありません。
そこで赤い酸っぱいドリンクと交互に食べることで、口に含んだ時に料理が完成するという、ちょっと変わった食べ方にしてみました。
チューニョのおかげでアンデスの文明が穀物に頼らずに成り立ったと言われていますからね。
赤いドリンクは、酸味のあるハイビスカス茶です。

タンボ・ロッジ新春スペシャルディナー「じゃが芋の来た道」スペイン人に征服されたアンデス。
それにより、大西洋を渡ったじゃが芋は、最初にスペインに到着しました。
スペインではだからジャガイモ料理が多いんですね。
3番目の料理はその典型、じゃが芋にスペイン風の赤い「ブラバスソース」と、マヨネーズっぽいニンニク入りの「アイオリソース」をかけた、フライドポテトです。
これは今ではスペインBARの定番おつまみになっています。

タンボ・ロッジ新春スペシャルディナー「じゃが芋の来た道」ヨーロッパに渡ったじゃが芋は、その見てくれの悪さから敬遠され、根付くのに時間がかかりました。
当時ヨーロッパでは、じゃが芋の様に地中に栄養を蓄える根菜がなかったことも一因かもしれません。
ロシアでは、じゃが芋の作付けを義務付けた政府に対する農民一揆が起こるほど嫌われてしまいましたが、今ではすっかり根付き、世界三大スープと言われる「ボルシチ」が誕生しました。
4番目のこの料理、もちろんこれはヴィーガン仕様で作られています。
白いトッピングは、サワークリームに模したヴィーガン仕様の豆腐ベースのサワークリームです。
牛肉タイプは、ダイズミートをそれらしく料理してみました。

タンボ・ロッジ新春スペシャルディナー「じゃが芋の来た道」5番目の料理は、第1のメインディッシュです。これはイタリアに根付いたじゃが芋料理の一つ、有名な「ニョッキ」です。
ニョッキが赤いのは、ビーツパウダーを入れて赤くしたからです。
ソースはアンデス風味付けで、春菊を入れた緑色のものになっています。

タンボ・ロッジ新春スペシャルディナー「じゃが芋の来た道」寒い所にできる印象の強いジャガイモ。
しかし暑い所にも進出しちゃいました。
6番目の料理は、北インドのベジタリアン料理の一つ、「じゃが芋のサブジ」です。
じゃが芋のカレー味、とてもおいしいです。
第1のメインディッシュと第2のメインディッシュの間に位置するおつまみ的なものとしてお出ししました。

タンボ・ロッジ新春スペシャルディナー「じゃが芋の来た道」口直しのお菓子は、2つ目のメインディッシュに移る時にお出しします。
これはジャガイモの仲間のアンデス原産のナス科の植物「唐辛子」を使った、「コチュジャンのアイスクリーム」です。
付け合わせに、スペインのオーガニック・アーモンドのローストを添えました。
まず上の辛いコチュジャンのアイスクリームを食べます。
口の中が「はひ~~!!!」となったところで、横の付いているローストアーモンドをいただきます。
すると・・・はひ~~!!!の辛さがすぅ~~と引いていきます。
これは「分子料理法」の一つの応用で、唐辛子の辛み成分のカプサイシンとアーモンドの分子が結合しやすいからだそうです。

タンボ・ロッジ新春スペシャルディナー「じゃが芋の来た道」8番目の料理は、最後のメインディッシュとなります。
いよいよ地球の裏側の日本に辿り着いたじゃが芋は、東北の岩手県や北海道において、偶然にもインカ帝国を築いた究極の保存食「チューニョ」と同様な製法で冷害による凶作を救うための「救荒食」として食されるようになりました。
ここに地球をぐるっと回ったじゃが芋の旅が終わります。
この第2のメインディッシュは、岩手県の南部地方の郷土料理の「凍み芋粉団子汁」です。
白チューニョと同じ作り方で作られた凍み芋を粉にして、その粉を小麦粉と共に練って団子状にして、「団子汁」として頂く料理です。
じゃが芋の旅の最後に出発地と同じ加工法のジャガイモがあるなんて、ちょっと楽しいじゃないですか!!。なんだかロマンを感じます。(笑)
遠く日本の果てまでやって来たじゃが芋たち、きっと故郷のアンデスを思い出しているに違いありません。
ちなみに世界を回ったじゃが芋は、今では世界4大作物として、人類を支えています。

タンボ・ロッジ新春スペシャルディナー「じゃが芋の来た道」最後のスイーツもじゃが芋・・・なんちゃって。
これはじゃが芋に似せた作りものです。山栗のクリーム状の団子の中に、餡子を真ん中に入れた、いきなり和風になったスイーツです。
でも見た目がじゃがいもみたいだからね、最後を締めくくるのにはもってこいでした。

タンボ・ロッジ新春スペシャルディナー「じゃが芋の来た道」まるで玉手箱のような入れ物の裁縫箱に入れられた、「お茶請けのお菓子」。
この中から5つ取ってもらいました。中に「はずれ」を2つ忍ばせておきましたよ~~。🤣
新年の運試しだと思って取りましょうね。

タンボ・ロッジ新春スペシャルディナー「じゃが芋の来た道」皆っでワイワイとお菓子を取りました。この瞬間がまた楽しい。♪♩🎵(^^♪~~♪!!(^_-)-☆

タンボ・ロッジ新春スペシャルディナー「じゃが芋の来た道」外れは何と❣💥。ビール瓶の王冠。はずれが当たった人、今年の運勢は順調ですよ~~~。🤣

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